東京レイヴンズ15巻 感想



ネタバレ多し!注意されたし!

私は、のろいやまじないの類が大の嫌いである。信憑性も実態もないものを"在る"と言って憚らない連中が嫌いである。
ではなぜこんな小説を眺めているのかと云うと、この作品が基本的に"そういうもの"の扱い方にある程度共感できるからだ、
と私は自己分析してみる。いや、札から水が出てきたりするのは少々ファンタジックではあるが、
そんなことを言い始めてはあらゆるアニメが立ち行かなくなるな。
日常系アニメですら美少女しか出てこないという辺りがファンタジーだし。


物語の冒頭は時系列で言うと主人公春虎が覚醒する以前、というより入塾したばかりのころを感じさせますね。
「え?この巻って短編だったっけ?本編じゃねーの?」なんて思ったのは束の間でした。時代は凡そ60年遡ります。
つまり過去編ですね。春虎=夜光と云う図式が明らかになっている今としては、まあいいんですが、
14巻のクライマックス感を返せと声を大にして言いたい。まあそれを書いてしまうと終わってしまいかねないので、
過去編が出たのはそれなりに嬉しいことなんですが。しかも次の巻もそのようなモノになるらしいですし。
いや、早く書いてくれりゃ文句もないですがかなり待ちましたからねぇ・・・出るだけマシですんで文句は言えませんが。


大日本帝国陰陽寮を再建し、その頭に夜光を据える、というのが大体の話の流れですか。
噂でしか知らないんですが、日本軍には呪術関連のツテがあって、マジに人を呪い殺せる組織があったって本当なのでしょうか?
そういうネタも込みなら面白い設定ですよね。そこから金属で出来た木偶を動かせるってところまで持ってくのは、まあいいか・・・。
個人的に気になるのは夜光の階級ですね。まあ後々明らかになったわけですが、絶妙なセッティングだとちょっと関心しました。
将校であることは前々から語られていたのですが、あんまりにも偉いとリアリティも無いですし、
逆に低すぎても「軍部の闇」的な何かを表現しきれなくなる、そのうえで中佐相当官と云うのは妥当です。
今後もっと偉くなってったら困りますが。良くて大佐程度が"お決まり"でしょうか?



・・・なら副官たる飛車丸の階級はどんなもんなんでしょうか?やたら容姿に拘った描写があるので気になる。
が、軍属であるということが現時点で判明しているので、判任菅という辺りが適切か?准尉辺りがカッコイイと思うんですが、
その位置から何らかの手柄を上げてちょい上げてほしい。そういうストーリーを希望する。
自分の出世にちょっと困ってる飛車丸とかかわいい。が、時勢的にはあまりそういったことは書けないのでしょうかねぇ。


最後に巻頭のイラストを見るのが慣例なのですが(初見だとネタバレがあるため)
小翳さま超絶かわいいっすね。眼鏡のデザインについて描写されていたので、どうなっているのか気になってはいたのですが。
時代的に丸眼鏡なんですねぇ。別に眼鏡属性があるわけでもないのですが、ポイント高いです。次も楽しみだ!