新・スピーカーの話3

間隙を含めたらどこまで話が膨らむんだろうな?
本日の施工は非常に簡単な原理でぶっ壊れていた部分の修理をします。
しかしながら施工は異常に難しいです。真似しないでね。筆者は何の責を負わないですからね。



ミッドのアッテネーターが馬鹿だ!
じゃあちょっと分解してから考えようと言うことで意気揚々とバッフルを外そうとしたところ事件は起きた。
一 箇 所 ネ ジ が 外 れ な い 。



上記の白矢印のネジが空転しているようだ。
鬼楔とかいうやつだったっけ?爪付きナットがバカになっているらしい、と言う推測の元、対処を考える。
「ミッドから手を入れれば届くんじゃない?」そう思った人も居るだろう。だが、
このスピーカーのミッドは密閉式で手が入る余地はないのだ。


私「とりあえずこのドライバーを外そう。」
ロッサ「でもそしたら後には戻れんよ?」
私「でもこれをどうこう出来なきゃこのスピーカーもうどうにもならんぜ?」(泣きそうな心境だった)
と言うわけでドライバーを外します。正確にはバッフル面にあるホーンのネジを緩めます。背水の陣ここに窮まれり。



このままホーンを倒せれば我々にも勝機が見えてくるが・・・
写真ではホーン+ドライバーははずれ、底に落ちているのだけれど、このホーンの厚みを考慮せずにネジを外した我々が愚かだった。
写真にはないけどウーファー外した穴から手を突っ込んで懸命にホーンを保持しながらネジを外してます。これ腕の届く限界だ。


作戦.2ドライバーとホーンを分離する。
見えないネジをモンキーで緩めることを決意しました。
手はツィーターの反対側の板で打ってある部分のネジを外して突っ込みます。



逝くも地獄戻るも地獄と言った言葉が適切でしょうか。苦闘の末分離に成功。
ホーンを慎重にウーファーから摘出し、ドライバーは危険なので隅に寄せておきます。
本来の想定されていたドライバーからバカになったネジへのアクセスがようやく出来ます。(所要時間1時間程度)
プライヤーで〆てネジが回ったときの感動は、忘れない。そんな感じで上部バッフルが外れます。




アッテネーターの分解がこの日の仕事だったのはもう完全に忘れてますが、こんな感じでアッテネーターを弄ります。


このプレートが邪魔なんで、丁寧にはがします。
ジッポーライターのオイルが有効だ、と言ってロッサ氏がくれました。
一応青色を侵食しないか確かめて、隙間から流し込んでいきます。
接着剤が溶けるのを待って、ヘラで丁寧に剥ぎ取ります。失敗するとプレートが折れるので注意。(責任は持ちません
これでアッテネーターのネジが露出し、漸くアッテネーターを外せます。



これが問題だったミッドバスのアッテネーター内部です。
銅版は経年が目立ちますが、思っていたより綺麗でした。見た限りでは問題無しです。

左上の金属パーツがアッテネーターの裏側パーツです。
四個あるツメを丁寧に剥がさないと折れて元に戻せなくなるので注意です。(責任は以下略)
今回の犯人はこの金属部品の上においてある白い欠片でした。
アッテネーター本体の中心付近が割れてしまっているようです。


と言うことで戦犯を曝します。
まずこの金属の部品がバカになった爪付きナットです。
とりあえず新品に交換しました。4343と言うモデルではバッフルの取り付けに多数使用されているようです。
閉めすぎたりするとこれがバカになるんでしょうね。強度が必要ですが過剰に閉めると酷い目に遭います。


そしてこの白い欠片がアッテネーターから割れて落ちたものです。
これのお陰でアッテネーターがぐらついていたようです。
エンクロージャーの中を見遣ったら幾つか似た破片が出てきました。セラミックか何かなのかな?
割れちゃってるんで抜本的な解決は出来ないんですが、応急処置はしました。
まあ、このぐらいの不具合があるのがヴィンテージオーディオって奴なのかもしれません。遣るに遣れんな・・・




そんなわけで、ロッサ氏と二人で解決しました。付き合ってもらって感謝に堪えません。
もうここまでバラしたら4343と言うモデルの構造も手に取る様に解ると言っても過言ではありません。
ユニット単位で壊れているものはどうにもなりませんが、そうでない場合の処置はもう完全に出来ると言っていいでしょう。
(触れないのはネットワークだけだけれど、ネットワークの異常とかどうにもならんし)
なーんか、修理業者の真似事とか出来そうだねーなんて言いながら解散しました。いや、激しく同意です。
アッテネーターの清掃も出来たんで、言うこと無しです。こうやって積み上げたノウハウに意味があるのでしょう。その四に続く!