ニコメの調整

あの後、風呂に入ったり飯を食ったりして音楽から離れて過ごしてから
音を聞き直してみたが、極端におかしい点はない。ような気がする。
中音と高音の繋がりは悪くない。高音から超高温、つまりドライバーからツィーターへの繋がりも悪くない。
ツィーターはキチンと役割を果たしている。シンバルがそれっぽい音で鳴ってる。
ほんの少しだけツィーターを上げると主張が濃くなってスパイシーな味付けになるかもしれないが、
何枚か違う金属音を鳴らしてみたが調整はギリギリの具合だってことが解った。
多分、触らないほうがいい。ここを触るときは根底から触らなければ旨くないだろう。
ミッドバスは限界値で鳴らしてる感がすごい。特に左がツンデレっぷりを遺憾なく発揮していて、
アッテネーターの具合が悪く、様子を見ていくしかないという状態だ。とりあえずノイジーというわけではないので許すことにする。
ウーファーはもうこの上なく喧しく鳴ってる。四個横に並べるとラインアレイ的な雰囲気が出ていて、ぱっと聞くと下から凄い。
当初は「低音の能率大体96dbとかになっちゃうからまずいよ」だったのだが、
途中で「単純な足し算ではない。よってミッドバスがどうのとか言う話ではない」
となっていたのだが、実際に使ってみるとミッドバスがつっかえている辺りがなんとも言えない。使わなきゃわからんとはこのことだろう。
しかしながら、特段必要性は感じない。若干大味に映るかもしれないが、まあこんなもんだろうと言う具合だ。計測機械にかけたら中抜けしてるかもしれんが。


問題点は音の繋がりよりも定位にあると踏んでいる。正直わからん。定位が一番難しい。
難しいので、追々聴きながら問題点を修正して行く方向で話を進めたい。特にボーカル域はそうだ。
定位の影響もあるのだが、ドライバーが何やら騒がしい。ウーファーが増えるとミッドバスも増してやる必要がある。アッテネーターで良い。
ミッドバスが上がるのだから高音域だってより出力される。ツィーターも連動させる。
この程度にまでアッテネーターを開放していくと、どうやら抜けが非常に良くなるような雰囲気がある。
その場合、ドライバーの出力が多すぎる可能性があるが、音の立体感・重心が高すぎないという方向から見るとそこまで悪い手を打っているわけでもなさそうなので
多分、ドライバーの出力は中音低音に見合ったバランスの元成り立っていると思われる。その状態で抜けが良い。
なんというか湿度が薄い。乾いていて、どこまでも響くような音の表現になった。個人的にもうちょっと湿度はあったほうが好みだ。
だがこんな味付けの篠笛も悪いわけじゃない。


話が反れたが、問題は定位だ。
感知できる音域をすべて真ん中に集まっているのか?と言う話になるな。
一番怪しいのは低音だな。四個の同調は思っていたよりも難易度が高い。これは借りていたウーファーと質感が全く異なる点が大きいと思う。
PAっぽいとどうしても表現が大味になるのだろう。実際、2235Hには細かい音の表情があるように感じる。
似通った、そしてそれぞれ異なる4つの箱を完全に置くことが要求されていて、それを叶えるのはとても難しいと思う。
サブウーファーの極意は存在感を消すことだと、ロッサ氏が言っていたのだが、これなんか違うような気がしてきた。
普通のサブウーファーはたぶんそんな方向性をもって音作りをすると言われればなんとなく納得できるものの
質感が似通っていると、どうしても四個鳴ってる感が消えないのだ。正確には倍で鳴ってる感というか。とにかく存在感が消えない。
これは、元からダブルウーファーのスピーカーを想像したほうが手っ取り早い気がする。え?エベレストがなんだって?
まあとにかく、この四つのウーファーの右チャンネルと左チャンネルのバランスをとるのが難しい。つまり低音の定位が正直よくわからない。
ある程度一本の線に聞こえてしまうと、「これであってるっぽい」から先がよくわからないのだ。ラインアレイって怖いね!


そういえば、ウーファーのネットワークも改良する余地があるように思った。
クロスオーバーがもっと濃く必要だ、これ純正はどのくらいのクロスになっているんだろうか怖くなるくらい低音しか通してない。
6db落ちとかじゃ歯が立たないことが解った。しかしこれも、厳密に必要ない気がする。
何れ暇なときにでも12dbのネットワークを制作することは容易だが、別に12db落ちにしても大差ないような気がする。
二次フィルタの計算式は手元にあるが、その上ってどうやって計算するのだろう?
話によると位相だってずれるらしいし、インピーダンスだって上がるらしい。補正回路とかもあるらしいと、
不明な点が多すぎるので困る。基本的に気持ちよく聴けるのであれば深く考えないのが理想的なのだろう。


思いのほか長話になってしまったが、詰まるところこうである
"滝先生に「なんですか?これ。定位がおかしいじゃないですか」
とか言われたくないということであります。まあ、怖いですからね滝先生は…