私が私を裏切るのだ

寝る前に積んであるプラモを空けてキットを眺めるというのが最近の楽しみである。
「視野が狭くなるといけねえな」
ちょっと通ぶった思考に行き付いた私は、買ったのはいつだろう?と解らなくなるくらい古いロードスターの箱を手に取った。


「なんだこれは・・・おれは、この程度には頑張っていたのか・・・」
と打ち震えるだけのことはある、プラパテを盛ってちょこっと弄ってた形跡のあるボディ、
とくにこれがまた細かい目のペーパーが掛けてある。それも下手くそなもので、下地処理と言う意味合いを正しく理解していたのか
極めて怪しい工作だった。定型文として「ボディには2000番まで〜」というのは常識的に知っていたが、
なぜ2000番なのか絶対に理解していない奴が施したのだ。
それから、ボディに手を加えるぐらいには度胸はあったものの、封を切ってないランナー。
呼び起される記憶。当時はあんまり期待してなかったよなぁ・・・。


あまりにも健気な当時の自分を直視した馬鹿な私は、
「こいつをきちんと作って供養してやるってのが筋だろう」
なんて思ったり思わなかったりしています。やるならホイールとか替えたいんだが、うむ。
しかしこれは自身に対する裏切りに近い。ここまでミリタリー一筋で頑張っている自分への。そんなものはあんまり関係ないだろうか?