やさしさに包んだなら

最近、極めて柔らかく優しい音しか出ない。
あの地獄のような無限の衝撃から立ち直った師匠門下の若手二名は、
どうやら何かしらの境地を発見したらしく、それぞれに新たな音を生み出している。


極端に言ってしまえば、元来の音色に拍車をかけた、という感じだ。
ロッサ氏はタイトな音を奏でることに定評があった。私は個人的にタイトな音は苦手だ。
勿論ちゃんとした理由があって苦手なので、「今回のセッティングはおかしいぜ」と真っ向勝負を仕掛けることが出来る。
出来るのだが、インフィニティのスピーカーを鳴らしたことによって隙が減り、
「まぁ、こういうタイトな音なら悪くないね」と言わざるを得ない音が出ている。ちょっと悔しい。


一方私はと云うと、やさしい音色が出ている。これまでも極めて軟派で人当たりの良い音がしていたのだが、
SQ38uを再度メインシステムに組み込むことにより、より柔らかで優しい音が出るようになった。
残響感や余韻感なんてもので表現すると、ちょっと大げさなことになるような音が出ている・・・と思う。
BGM的にふわっと再生しておくと良い塩梅だ。ちょっと録音の甘い盤も粗が目立たなくていい。
と言って引き締まっていない音ではない。締めるところは締めてある。これがいい結果を出している。
この締め方というのはインフィニティで学んだ点であった。


とりあえず師匠に聴いてもらいたい気がするが、一刀両断されるような気もするので怖い。