新・スピーカーの話3

二つのスピーカーを部屋に上げてお疲れムードの私たちに起きた悲劇とは



左のスピーカーのドライバーがピリつく。ノイズが乗ってる。
Ni氏も想定外だったようで早速ブルーバッフルを取り外します。



先ずはミッドバスを取り外し、次にバッフルを持ち上げます。この際ドライバーが干渉に注意して持ち上げます。
最初は「高い機材にこんなことしていいのか?」なんて思ってましたが、
このドライバーの不調と言うのが延々と私を悩ませる厄介な存在となり、
"何かあったらばらして様子を見る"と言うのがスタンダードな形に成り果てました。開いた回数は既に片手で数えられる回数じゃない。
何かと手伝ってもらっている(重量があるので一人では不可能なのだ)ロッサ氏曰く
「ここのスピーカーはひっくり返してユニットを外している姿が普通だね」と言うお言葉をいただきました。複雑な心境です。


話を戻しまして、ドライバーのノイズを取り除こう、と言う話なのですが、
いくつか原因があるらしく、一つずつ潰していこうと言う実に地道な作業が幕を上げるのであった。



手順一。ボルトがしっかり締まっているか確認する。
こういうことでも音はにごるんですと言うNi氏。
ドライバーとホーンの基部のボルトが若干緩んでいたことが発覚。閉めなおしてバッフルを取り付けユニットを取り付けて確認。
ノイズは消えず。



手順二。振動盤の検査。
再びミッドバスを外しバッフルを外しドライバを外す。
さらにドライバのネジを外し振動版の検査。Ni氏が確認するが(私はこのとき別の作業の準備をしていてちゃんと確認出来なかった)問題がないと再び閉める。
そして全て元通りにして音出し確認。この時点で異音はしなかった。そのため解散。


翌日。ピアノソナタを鑑賞中にノイズが出ていることが確認されてロッサ氏に相談。


手順三。再び振動盤の検査。
実はあれってゴミがあったんじゃねーかな?とか。老眼で見えなかっただけなんじゃ・・・?とか疑惑が出てきたため精査することとなった。
この時点で販売店側のNi氏不在である。
慎重に解体し、まじまじと確認すると若干ゴミがついてた。
とてもデリケートな部分なので慎重に慎重を重ねてゴミを取り除き、全てのボルトを締めなおして確認。

この状態が最高にデンジャラスなことを知っていてもらいたい。
精神を集中させたナイスな仕事をしたにも関わらずノイズは消えず。


手順四。アッテネーターのご機嫌を伺う。
ロッサ氏曰く一番ここが怪しいと言う話になった。
もうこの頃になるとバッフルを一々取り付けることなく音出し確認をするという手馴れた作業になっている。
油を多めに差して様子を見る。ノイズは聴こえない・・・?(この時点で当日の4時間は作業していた)
二人ともグロッキーでとりあえずスピーカーを組みなおしてその日は終了。


翌日、例のピアノソナタを鳴らしてもノイズは出なかった。それ以降ドライバーの不調は特にない。
ロッサ氏曰く、「油が染み渡るまで時間が掛かる」との事だったので、一晩経ったのが問題を解決してくれた可能性が高いだろうとの事。
原因は全て、アッテネーターだったのだった・・・。「油差せよ?分かったな?」と言って売ってもらったのだけれど、
まさかそこが不具合を起こしているとは夢にも思わず・・・
この時点で何回"例のピアノソナタの曲"を聴いたか分からない状態になっていた。(精神的な面も含めて)


そんなわけで一応の解決は見た。かに思えた。
この時点でロッサ氏と二人して散々このスピーカーを解剖して、「我々はこの価格のものに対して何をしているんだ?」と笑いあっていたのは、
まだ続く悲劇の中間地点にしかすぎなかったのです・・・その4に続く。。






因みにピアノソナタドビュッシー亜麻色の髪の乙女でした。この曲は私の中で永劫デスソングとして語られるであろう・・・