JBL A850 の話。

面白い縁があって我が家に来た。しかし私の所有になるわけではないこのスピーカー。

元はロッサ氏の愛用していたもので、当時はラックスマンの中級プリメインで鳴っていた。
残念ながら昔の話なので全く音は覚えていない。私がオーディオに見向きもしなかった頃の話なのだ。
そして彼はタンノイのアーデンに乗り換え、このスピーカーはサブと言う形で取り払われてしまった。


長い年月を経て勉強したロッサ氏曰く、「これはJBLであってJBLじゃない」等とのことだった
その台詞を聞いたときに私が素直に思ったのは
「価格面での妥協から来る品質の低下」なのか?、と音も聴かずに考えていたのだった。(話の種になっただけだった)


それから月日は流れ、つい先週にこいつが我が家に運び込まれた。早速SQ38に繋いで鳴らす。
我々は驚いた。そして素直に感動した。
このスピーカーにはこんなにもポテンシャルがあったのか!
と言う二人の見解の一致があり、「能率が低いのに鳴るのは球がすげえからだ」とか「エンクロージャー容積がありそうだから低音がすげえ」とか盛り上がっていた。
悪い評価を下したものを時間を経てもう一度真面目に眺めるととてもよく感じられる謎効果が遺憾なく発揮されていた。(ヤンキーが捨て猫の世話をしていた感)

音は、全ての面でJBLの感触を味わえる、とでも表現しようか。
それはこの美しいブルーバッフルを見れば納得してしまう。(私は兼ねてからJBLのスピーカーが欲しいのだ)
若干もっさり聴こえるのは低音が鳴りすぎているから、と言うのが通説だが
これはそもそもの能率が起因する問題なのではないか、と言うのが私の独自の見解だ。
確かに低音の主張はそれなりにあるので削る方向の調整が良いと思う。(が、これはアンプにパワーがあることが前提だと思う)
高音が薄く感じられるのは普段スーパーツイーターを聴きすぎているので、勝手に補正が掛かっているのだろう。
無策にも「このスピーカーにスーパーツイターを乗っけたらどんな音がするのだろう?」などと考えてしまうのだ。
とにもかくにもこのスピーカーにはアンプの選定が問題になってくるだろう。これだけ鳴らせるのは高いクラスのアンプがあっての事、と二人で見解をまとめた。




そして話はこう移り変わる。
このスピーカーをどんなアンプで鳴らすんだ?と。