回想、スピーカーの話


まだオーディオという遊びに対して理解も経験も少ないころのお噺でありんす。


最初は、ケンウッドのバブルコンポと呼ばれる機材を使っていました。
チューナー、テープデッキ、CDプレイヤー、レコードプレイヤー、プリメインアンプ、スピーカー、イコライザーと言った構成で、
なにも知らずにアンプから全ての電源を取り、塔のごとく積み上げて、定位も出さずに、と言う時代がありました。



ある日、急に気になって、ロッサ氏に手伝ってもらいつつ塔を解体。
CDプレイヤー、アンプ、(おまけでレコードプレイヤー)と最小限の構成にし、
電源はそれぞれ個別に取り、定位というものを四苦八苦しながら探し出し、音と言うものを根本的に見つめなおすことがありました。


するとどうだろう。意外と素晴らしい音がするのだ。
アンプの性能はいまひとつだが、スピーカーとの相性がよく、スピーカーは以外と能率が良く、(91dBだった)
インシュレーターとか交換したらまた音が変わって、それを理解出来るものだからなお楽しく、
じゃあ、何か買ってみようか、と言うことになりました。


そのときに僕は一番悪いと感じていたアンプを買いたいとロッサ氏の紹介でショップのエヌ氏に相談したのだが、
どうやら見当はずれのことを言っていたらしく、二方の意見が一致し、スピーカーを購入したのであった。それがコーラルのモデルVIIである。



当初の要求は、ブックシェルフの3ウェイのものが欲しかった。
そしてこの三十年前のものを紹介されたわけで、見栄えはぱっとしないものの、剛性が高く、能率も問題なし、
音だって不味いわけではなく、と言ったのが第一印象であった。その頃は全くもって初心者以下の存在だったと書き加えておく。


けして高価な機材ではなく、むしろ1000モニと呼ばれる対抗馬からするとお手ごろ、しかも作りが良い、
今だからわかることだが、いろんな音を自在に鳴らすことが出来る非常に良い逸品である。この値では考えられないと思って感動している今日この頃。
角がそれなりにあって、シャキっと鳴る。低音に若干の不安があったが、トーンコントロールやアッテネーターのいじり方を工夫すればとても良く鳴る。
ユニットの性質がJBLにそっくりで(ウーファーなんか特に)、現在のセッティングは特に似ていると思って聴いている。
現在使っているアンプとの相性も良く、前記したPD-T09なんかとも良い塩梅である。
稀に「ああ、ここはこう鳴ってほしいな」と言うことを感じることがあるものの、それは少しだけ知識と経験が積まれたお陰かな、と割り切っていて、
まあいずれはフロア型の大きなヤツが欲しいなどと妄想しているのであります。(ぶっちゃけるとパラゴンさんが欲しい)




このスピーカーを襲った大いなるトラブルについてはいずれまた書いてみようと思います。乞うご期待。
(余談ではあるが、このスピーカーのモデル名を完全に把握しておりません。X-VIIと言うのはじゅうななと言うことなのか・・・?それともエックスセブン??)