月が怪しく光る夜


ベランダに出てみると月がとてもきれいに見えた。
「ああ、以前より乱視が酷くなっているな、」なんて思ってちょっと憂鬱になったが、
別に乱視だから月が見えなくなるわけではない。悲観することはないと思った。


今日の月は橙色の良い色合いだった。とても好みの色で、月齢もいい塩梅だ。しかし惜しむべくは三脚がない。ロッサ氏のところに置きっぱなしなのだ。
つまり、500mmズームは使いようがない。暗いし、焦点距離の観点から手持ちは不可能だ。それに500mmで月を撮るのは嫌いだ。
500mmだと、やはり大きく撮れるのだがシグマの500mmは画質が悪い。特に無限遠の画質は極めて悪いと云わざるを得ない。


ならば、今日の最適解は180mmマクロだろう。こいつに2Xが一番オツだろう。と思ったのだが、
これではやはりシャッター速度が稼げないので無理だった。三脚さえあれば・・・と悔やむが、
別段「美しい月」を撮るのに三脚だのなんだのと無粋だと思い至った。


と云うことで180mm単を片手に公園まで行って月を狙った。
三脚があればもっと貪欲に行けたものを・・・まあしょうがねえな。
もう少し色温度に気を遣って、見たままを写す努力をすればよかったかな、と思った。


この写真のように、日の丸構図でなんの捻りもないが、敢えて寄り過ぎないところに美学があると私は思っている。
ただデカけりゃいいもんじゃない。もっと見たままの美しさを切り取ることが出来れば伝わるんだが、私はその境地には達していない。