何が音楽を良くするのかが分からなくなってきた 3

さて、前回においてケーブルを防振することに対する私の熱意が伝わったことと思う。
で、ロッサ氏である。この男の再現する音楽は緻密で美しく、躍動するときは躍動し、
悲哀の歌はちょっと本当に悲しくなるような、素晴らしい音響調整を施してある。

にも!拘わらず!配線が酷い!!



何時ぞやは「規律の行き届いた暴力のようだ」と評した私が見たのは
規律以前になんの秩序もない、掃き溜めのようなケーブル類だった。
電源コードやRCAケーブルと云った種類をまるで無視した配線。
何が私を困惑させるって、このケーブルの全てがそれなりに値の張るモノたちだという事だ。
オヤイデの電源タップ、プリアンプなどに使用している中型のノイズカットトランス、ほか多数。
RCAケーブルだってすべて抜かりのないラインナップである。
(具体的に言うと師匠が音質を認め推薦し、私が高すぎて一組しか持ってないような奴だ。)
もはや坩堝。カオスである。当然私はブチ切れた。80キロの荷物を運び込んだ先がカオスだったら、多分だれでも怒ると思う。


適当に済ませて知らないふりを決めることも出来たのだが、残念ながら現状では新しいパワーアンプは設置不能と判断。
ぶちぶち文句を垂れつつやっていた作業だったのだが、文句を言う暇もなくなってしまったのでテキパキと作業を進行。
私はどうやら神経質な作業には一般的な人間よりはやや優れているらしく、
当然、このカオスの生産者たるロッサ氏は力仕事担当になってもらい、顎で使わせていただいたのだった。


私の「なんでこんな配線で良い音でるんじゃろか?」という苦悩も1時間と少しくらいで終了。
パワーアンプをラックに収めるのに更に30分ほど、師匠の店を出てから4時間ほど経過していた・・・。